ブログ運営

テーマ移行!元CocoonユーザーがWING(AFFINGER5)をレビュー

今回ははじめてブログ運営について書いてみます。ガジェットやソフトウェアをメインとしてきたので、少々異色なネタです。

2020年1月から2月にかけて、当サイトはWordPressのテーマ(外観)を「Cocoon」から「WING(AFFINGER5)」へと変更しました。ひとまず最低限の体裁は整ったこの段階で、WINGへ感じた不満点など率直な感想を記事にしてみたいと思います。

はじめに

この記事はWING (AFFINGER5) に対して批判的な内容を含みます。しかしそれらは短期的な使用の中で実感したことです。今後の長期的なサイトの運営の中で、評価が変化する可能性があることをご了承下さい。

またこの記事の内容は、あくまで当サイト運営者個人の感想に基づくものです。WING (AFFINGER5) は世間一般的に広く高い評価を得る優良な製品であることをご認識の上、お読み下さいますようお願い申し上げます。

テーマの移行の動機

当サイトでは2019年11月の開設以来、WordPressテーマ「Cocoon」を利用させて頂いてきました。わかりやすい設定画面に豊富なコンテンツ作成機能。導入前に見聞きした評判に違わぬ高性能さです。

しかしサイト運営を続ける中、常にデザインに対する不満が燻っていました。Cocoon独自の設定画面やカスタマイザーで変更可能な項目が、私の要望には合致しなかったのです。

一方有料テーマについて「メリットはデザインにある」との情報を多数拝見していました。これが事実であるならばカスタマイズに割く労力を抑えつつ、より理想のデザインに近づけることができるはずです。このような背景があって、私は有料テーマのWING (AFFINGER5)を購入しました。

しかし導入から基本的な設定を終えた現在、WINGは私の理想にはあまり合致していなかったように感じています。その理由をこの記事では紹介してみたいと思います。

両立しない「デザインパターン」と「全体カラー設定」

WINGの特徴の1つに配色とデザインパターンをそれぞれ選択するだけで、簡単に多彩なデザインを設定することができる機能があります。

 

そして同時に特徴として紹介されている機能が「全体カラー設定」機能。「濃い色」「少し薄い色」「とても薄い色」「テキスト」の4色を選択することで、サイト全体の配色を一元的に決定できる機能です。

 

しかしこの2つの機能、実質的に併用できません。何故なら、全体カラー設定を使用するとデザインパターンが強制的に「ブログ(初心者おすすめ)」に固定されてしまいます。

「ブログ」以外のデザインパターンを使いたいけど、12種類のカラーパターンは気に入らない。こういった場合は、「簡単カラー設定」に頼らず、画面項目の配色を個別に1つずつ設定しなくてはなりません。そして、画面項目は細分化されおり、漏れなく設定するのは非常に面倒です。

子テーマのstyle.cssがうまく反映されない!

デザインパターンの問題に限らず、WINGのデザインの設定項目は多岐にわたりますが、きめ細かいとは言えない印象です。

仕方なく子テーマの「style.css」にコーディングをするわけですが、うまく反映されない部分がチラホラ。「st-themecss-loader.php」という親テーマ内のスタイルシートファイルが優先的に反映されてしまっている(子テーマより後に読み込まれている)のです。

公式マニュアルを確認するとCSSは以下の構成と優先順位で読み込まれると記載されています。

  1. カスタマイザーの「追加のCSS」
  2. st-themecss.php(カスタマイザーの設定値)
  3. (Simple Custom CSS※プラグイン)
  4. 子テーマのstyle.css
  5. 親テーマのstyle.css

「追加のCSS」機能は利用していません。「st-themecss-loader.php」は恐らく2にあたります。つまりカスタマイザーの設定項目によって、子テーマの「style.css」でのカスタマイズが上書きされていると判断できます。

しかし、カスタマイザー上には該当するような設定項目はないのです。つまり「st-themecss.php」内にカスタマイザーで変更できない固定値が存在し(例えばサイドカラムの内余白に対する0px設定など)、それが子テーマのカスタマイズより優先されてしまうのです。

カスタマイザーの追加のCSSはデータベース上に保存がなされます。履歴管理が面倒なので使いたくありません。

結局子テーマのstyle.cssのセレクターをやたらと具体的に長々と書いたり、プロパティに「!important」をつけまくったり。きちんと反映されるまで優先順位を上げる努力が必要となりました。

子テーマのstyle.cssの利用にこだわりがなければ、カスタマイザーの「追加のCSS」機能を用いるのがもっとも確実だと思われます。

Cocoonにあった色々な機能が無い!

WINGの初期設定を終え動作確認を行うと、以下のような機能がサイト上に表示されていません。Cocoonの独自機能によって提供されていたため、テーマ変更により無効化されてしまったのです。

  • 目次の自動作成
  • 人気記事一覧ウィジェット
  • URLのブログカード自動変換
  • 外部・リンクのブログカード作成
  • 記事一覧のカードデザイン化
  • Google Tag Managerとの連携

やむなく各項目に対しては以下のような対処を行いました。

目次がないことへの対処

WING単体では画像のような目次が自動作成されません。

有料プラグイン「SUGOI MOKUJI(すごいもくじ)[PRO]」が用意されています。

 

私は無料プラグイン「Table of Contents Plus」のインストールにて対処。ただし、前述の「st-themecss.php」内にTOC+のフォントサイズなどが固定値で定義されており、導入後にもかなり悪戦苦闘しました。

人気記事一覧ウィジェットがないことへの対処

人気記事一覧の表示機能も標準では付属しません。

有料プラグイン「PVmonitor for AffingerTagManager3(PVモニター)」が必要となります。

 

なお、PVモニターの動作には「AFFINGERタグ管理マネージャー3の有効化」が必要です。このタグ管理マネージャー3も有料プラグイン。

 

私は無料プラグイン「WordPress Popular Posts」を代用。

 

ちなみに、WordPress Popular PostsにはCoccoonで集計されたアクセス履歴は反映されません。恐らくPVモニターにも反映されないでしょう。世知辛い。

URLのブログカード自動変換は諦める

対処のしようがありません。諦めました。

ちなみに、WordPress 4.4以降にはURL ⇨ ブログカード自動変換機能が標準で搭載されています。しかしこのデザインは正直微妙です。

WINGにはこの標準機能をオフにできる設定は備わっています。

外部リンクのブログカード作成への対処

WINGには内部リンクをブログカード形式で作成する機能が備わっています。しかし、外部リンクをブログカード化することはできません。

こちらも専用の有料プラグインが必要

 

私は無料プラグイン「Pz-LinkCard」で代用しました。

 

ちなみに「Pz-LinkCard」でAmazonのリンクを貼ると、タイトルや画像がうまく取得されないことが多いです。

アソシエイトに合格後には、Amazonへのリンクは「AmazonJS」や「カエレバ」に変更を予定しています(ちなみに未だに申請していません)。

記事一覧のカードデザイン化も諦める

Cocoonでは上の画像のように記事の一覧をカードデザインなど様々なデザインに変更が可能です。

WINGでは標準的なリスト形式に固定されます。対処のしようがありませんので諦めました。

ただしWING (AFFINGER5)の上位版であるAFFINGER5EXならカードデザインへ変更可能な模様。

 

ちなみにこの機能については下記の通り公式サイトで公開されていますが、AFFINGER5EXの機能は原則非公開だそう。第三者の紹介サイトも非公開だと口を閉ざしています。

 

しかし、購入前に確認できる利用規約にはエンドユーザーの公開を禁ずる事項はありませんでした。製作者様が非公開としているだけで、利用者側が公開することは禁じられてはいないように思われるのですが…。利用中のどなたかババーンと機能紹介して頂けると嬉しいですね。

Google Tag Managerと連携できないことへの対処

Google Tag Managerとの連携は行なえません。

しかし専用プラグイン「STINGER タグ管理プラグイン」または「AFFINGER タグ管理マネージャー」が用意されているため、これを代用することで同様のタグ管理が行えるでしょう。

「STINGERタグ管理プラグイン」と「AFFINGERタグ管理マネージャー」の違いは、作成したタグに対する計測機能の有無です。上位版にあたるAFFINGERタグ管理マネージャーでは、作成した広告やリンクタグの表示回数、クリック回数、CTRなどを計測できるそう。

ちなみに下位版のSTINGERタグ管理プラグインは、2020年2月現在無料配布中です。どうせならAFFINGERタグ管理マネージャーを無料配布してほしかった

 

Google Tag Managerで大量のタグ管理を行っている場合、移行するのはかなり大変そうです。以下のようなプラグインでGoogle Tag Managerとの統合を図るほうが効率的かもしれません。

WING (AFFINGER5) をCocoonに近づけるには…

ここまでで述べましたとおり、標準のWING (AFFINGER5)と謹製プラグインでをCocoonと同様の機能を実現するには、有料のオプション製品が複数必要になります。その場合の総額は下のとおりとなります。

「タグ管理マネージャー3」と「PVモニター」はお得なセット販売ががあるため、そちらを使用した価格になります。

商品 価格
WING(AFFINGER5版) 14,800 円
SUGOI MOKUJI(すごいもくじ)[PRO] 5,980 円
AFFINGERタグ管理マネージャー3 29,800 円
(セット価格)
PVモニター
ブログカード外部URL対応プラグイン 3,800 円
AFFINGER5EXアップグレード 12,000 円
合計 66,380 円

 

もしWING (AFFINGER5) を所持していない場合、以下のような組み合わせでより安価にCoccoonに近い機能性を実現できるはずです。

商品 価格
AFFINGER PACK 3 以下のセット販売
・WING(AFFINGER5EX版)
・AFFINGERタグ管理マネージャー3
・ABテストプラグイン
39,800
PVモニター 12,800
SUGOI MOKUJI(すごいもくじ)[PRO] 5,980
ブログカード外部URL対応プラグイン 3,800
合計 62,380

 

率直に非常に高額な印象です。費用対効果に確信を持てなかったことから、私の場合は上で書いたとおり無料プラグインで対応する手段を選択しました。

まとめ

長々とWINGについての感想を書いてきたわけですが、ここまでの内容を改めて振り返って思うのは

有料テーマへの過度な期待はNG

ということです。

そして大事なポイントはWINGに限らず有料テーマ全般に当てはまるということです。

 

私の場合は主として「デザインのカスタマイズ性の高さ」を有料テーマに求めていました。しかし、ほとんどの有料テーマは実際にどの程度細かく柔軟に、かつ簡易にデザインの設定が行えるかなど、買ってみるまではわかりません

「検討しているテーマ名 マニュアル」などと検索してみるとよくわかると思います。カスタマイザーの大まかな設定方法が記載されているだけで、各設定が具体的にどのような変化をもたらすのか、より細かいのカスタマイズは行えるかなど書いてあるテーマは少数です。

有料テーマをであったとしても、期待通りにカスタマイズできるとは限らない。CSSによるカスタマイズの必要性はつきまとう。

このことは常に念頭においておくべきだと思います。

 

また「目次」や「人気記事」の追加機能を実装している有料テーマは少数だと思われます。

私はWING以外に「SANGO」「JIN」「STORK」「DIVER」などを検討していました。調べたところこれらすべても上記のような機能は搭載しておらず、無料プラグインの利用を推奨しているようです。

私は最初に「Cocoon」を利用したため、こういった機能があることが当たり前なのだと思い込んでいました。しかし現実にはそうとは限らないのです。

 

「有料なのだから無料のテーマより当然すべての面で優れている」このような思い込みは即刻捨てましょう。

そして公式サイトの内容をくまなく読み、自分の希望や目的に合致しているかを慎重に見極めることが大事なことだと思います。

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