長時間の動画撮影でありがちな失敗の一つ、撮影中のバッテリー切れ。特に作業風景の自撮りなどでは、作業に熱中するあまりカメラの確認を忘れ、大事な場面がまともに撮影できていなかった、なんて事態も考えられます。
そんな問題を解消するために購入したのが、パナソニックLUMIX DMC-G8(以下、G8)適合のACアダプターとDCカプラーのキット製品。しかしこの商品はサードパーティ製の格安互換品です。
果たしてきちんと動作するのか、レビューをお届けしてみたいと思います。
減りの速いG8のバッテリー
ミラーレスカメラの常かと思いますが、G8も例に漏れずバッテリーの減りが早い傾向にあります。レンズキットの付属レンズ(H-FS12060)を用いてMP4動画(FHD/28M/60p)の撮影を行った場合の連続撮影時間は「110分間」と公称されています。
私の場合はPCの自作やジャンク品の修理などの作業風景の撮影にカメラを用いています。あらかじめ所要時間の予想が立てられる作業であれば問題はありませんが、初見の修理作業などではまったく足りない場面も多々あります。
とはいえ、このような長時間撮影にも対応できるよう、実はG8には純正アクセサリーが準備されています。交流電源から直流に変換するACアダプター「DMW-AC10」。
そしてその直流電源をカメラに接続するためのDCカプラー「DMW-DCC8」。
この2つの製品を介してG8を電源コンセントに接続することで、SDカード容量が許す限り連続撮影が可能な環境を作り出すことが可能なのです。
しかし、これらの製品はやや高価である点が気になります。2020年4月現在、DMW-AC10は9,000円強、DMW-DCC8は2,000円弱、合計で1万円以上となかなか高価。また、DCカプラーのDMW-DCC8はGH5やG9 Proといった上位機種には適合せず、ステップアップの際には流用が出来ません。
そこで今回も安価な社外品(互換品)で乗り切ることにしました。うまく動けばラッキーですが、最悪数万円のカメラが破損すると考えるとコスパが良いかは微妙なラインです。果たして吉と出るか凶と出るか…。
ACアダプター、DCカプラーがセットで3,000円弱の互換品
今回私が選んだ商品は、「Gonine」というブランドの互換品です。このブランドの実態は中国深セン市の「弘茂科技有限公司」という会社のようですが、詳細な情報ははとんど得られませんでした。
とはいえ、Amazonの規約通り商品タイトルがブランド名に記載され、高評価のレビューばかりが異常に多いわけでもなく、(本物かどうかはともかく)PSEマークも付いているということで、中華輸入品の中ではかなりマシな部類です。2,780円(2020年4月時点)という価格は、より安価な競合製品も存在しますが、純正品に比べれば十分低価格と言えます。
それではいつものごとく化粧箱から見ていこうと思います。
見ての通り最低限のパッケージと言った印象です。ラベルシールの黒ずみがなんとも言えない気持ちにさせてくれます。
裏面もやはり質素です。
内容物はDCカプラー、ACアダプター、電源ケーブルの3点のみ。ドキュメントなどの類はいっさい付属しません。
単体ではまったく評価のしようがありませんので、早速カメラに取り付けてみたいと思います。
カメラに直接取り付けられる最も重要なパーツ、DCカプラー部分です。最初にこちらをカメラにセットしておく必要があります。
バッテリーのカバーを開けて、裏面からDCカプラー用の穴にケーブル部分を通します。DCカプラー用の穴は塞いでいるゴム部分を裏から押すことで、開けることができます。
根元付近までケーブルを通すことが出来たら、カプラー本体をカメラ側にセットします。写真を撮り忘れてしまいましたが、奥側には金属端子部分が設けられているため、カメラ側の端子に向きを合わせて挿し込む必要があります。
ツメでロックが掛かったことを確認できたら、セット完了です。
カメラ本体のカバーを閉めてロックを掛けます。ケーブルを噛まないよう、閉めながら引っ張ることがポイントです。
続いてDCカプラーにACアダプターを接続し、ACアダプターに電源ケーブル接続します。
最期に電源ケーブルのコンセントを接続したら準備は完了です。ひとまずこの時点で火などが出ることもなく安心しました。
電源を入れてみましたが何の問題もなく起動。バッテリーマークは表示されず、きちんとDCカプラーとACアダプターを利用している状態が認識されているようです。
この後撮影も行ってみましたが、特段の問題はありませんでした。
まとめ
冒頭でも触れたことですが、DCカプラー「DMW-DCC8」や同一形状のバッテリー「DMW-BLC12」はGH5やG9 Proといった上位機種には対応しません。しかし、新機種と言える「G99」には適合するなど今後廃止されていく運命の規格というわけでもありません。
カメラに直接接続しなければならないこと、電源というデリケートな要素に関する機材であることなどから、余力がある人は素直に2つの純正品を購入するほうが安心であるとは思います。
しかし、私のように将来的にGH5への乗り換えを前提としている場合やコスト最優先で商品を選びたい場合には、このGonine製の互換キットは有力な選択肢になってくれることと思います。
長時間の撮影でのバッテリー運用にお困りの方は、ぜひどちらかご検討してみてはいかがでしょうか。
純正品
Gonine互換キット