みなさんは最近のUSBハブを見て「ケーブルが短い」と思いませんか?特にカードリーダー内蔵タイプやドッキングステーションタイプでは顕著だと思います。
今回ご紹介するUGREEN製カードリーダー内蔵USB3.0ハブは、そんなトレンドに流されない長めのケーブルが魅力的な一品!しかし少々残念な面もあり…。
私と同じように長いケーブルのUSBハブを探していらっしゃる方のご参考にして頂けることを祈りつつ、記事にしてみたいと思います。
なかなか見つからない理想のカードリーダー
今回、私がカードリーダーを購入するにあたって事前に考えた条件は、以下のようなものでした。
- SDXC規格に対応する
- USB3.0以上
- ハブを内蔵する
- 長めのケーブル
SDXCとUSB3.0への対応については、主にデジタルカメラの撮影データの転送に用いるためです。動画の撮影を行うため、大容量のSDXCと高速なUSB3.0への対応は必須条件と言えます。ただしSDXCについては今どき非対応のものを探すほうが困難かもしれません。
ハブの内蔵については、「どうせならあったほうが良い」というそれだけの理由。カードリーダーを繋いだのに、USBポートを減らさず増やせるなんてお得ですよね?
そして最期のケーブルについては、私がデスクトップPCユーザーだからです。PCケースを机の下に置いているため、ケーブルが短いとたびたび机の下に潜り込まなくてはなりません。どうせなら長いケーブルで卓上に引っ張り出しておきたいと考えました。
ところが合致する製品はなかなか見つかりません。上3つの条件を満たす製品はたくさん販売されていますが、更にケーブルが長いものはかなり限定されてしまいます。多数派のノートPCユーザーにとっては、コンパクトにまとめられる短いケーブルのほうが便利でしょう。そのニーズが優先されているのかと思います。
ケーブル長めで信頼できそうなUGREEN製
正確には条件に合う製品がまったく販売されていないわけではありません。ただし、その多くはブランド名の記載もなくレビュー投稿も偏っている、なんだか怪しいものばかり。金ドブの匂いがプンプンします。
「丁度良いものって無いのかな…」と諦めかけながら検索条件を変えると、ふと目に入ったのが「UGREEN」と書かれた商品。UGREENは日本で格安中華商品が本格的に販売される以前から、割安なPCアクセサリーを販売していたイメージのブランドです。ノーブランドの怪しい製品よりはよほど信頼できるでしょう。
製品概要を見てみるとケーブル長は100cm!お値段も約2,200円と安価です。探すのにも疲れていたので、そのままポチってしまいました。
清潔感のあるパッケージと奇妙なデザインの本体
それでは届いた商品の外観からご紹介したいと思います。
パッケージは非常に簡素なデザインですが、印字や折り目は丁寧で清潔感があります。
左下にはきちんと会社情報が書かれています。ただし所在地などは西ドイツとされています(本拠地は深センのはず)。
取り出しました。薄いビニール一枚に包まれています。プチプチに包むか厚紙で固定するくらいはしておいてほしい気もします。
マニュアルはきちんと日本でも記載されています。
日本語「のみ」で記載されたサポート情報も同封されています。外箱の会社情報などから欧州向け製品を日本でそのまま販売しているのかと思っていましたが、どうやら純粋な日本向けパッケージのようです。
ケーブルは本体と一体化されています。ポートとスロットは以下のとおり。
- USB 3.0 (USB 3.2 Gen1) x 4ポート
- SDカードスロット
- microSDカードスロット(TFスロット)
- メモリースティックスロット
- M2メモリースティックスロット
メディアスロットは排他利用であることに注意が必要です(2つ以上のスロットに接続しても最初のメディアしか認識されない)。
画像下のおかしな湾曲部分はスマホスタンドです。正直必要性は感じません。
実際に使ってみて
まずハブについてはきちんと機能しているようです。3ポートともきちんと認識されますし同時利用も出来ます。カードスロットにメディアを接続しても、ハブ機能が停止するようなことはありません。転送速度が公表されているUSBメモリーを所持していないため、性能面の正確な評価は行えていません。しかし、USB2.0のハブよりは明らかに高速で転送できているため、及第点とは言えるでしょう。
カードリーダーについても、同様に及第点と行ったところです。転送速度の公称値が170MB/sのSDXCカードを接続し計測したところ、80MB/sほどのパフォーマンスを記録しました。良好とは言えませんが、USB 2.0の実行速度(約40MB/s)の倍以上の結果は出ています。排他制御についても、異なる種類のメディアを同時に接続したい場面がないため、特に困りはしません。
ここまでは無難なUSBカードリーダー兼ハブといったところですが、1つだけ欠点という程ではありませんがイマイチなポイントがあります。
それはユーザーの反対に向かって傾斜するこの形状。各ポートとスロットには説明が書かれていますが、この目線では読み取れません。覚えるまでは覗き込むようにして、目的のスロットを探す必要があります。また、どんな角度で接続すればいいのか掴みにくい上、USB端子の形状によっては手首をひねるように力を入れないと上手く差し込めず、慣れるまでは結構ストレスを感じました。
まとめ
カードリーダーのパフォーマンスを重視する方は、転送速度を公表しているような製品を買うべきでしょう。ただし、ハブ機能はないこと、より高価なことを覚悟しておいたほうがいいと思います。。
独特な向きの形状が気に入らない人やスマホスタンドに価値を見いだせない人は、下のような商品と好みの長さのUSBケーブルを購入したほうが良いかもしれません。
Rocketekは香港企業のブランドのようなので、確証はありませんが本土系のノーブランド品よりは信頼できるだろうと思います(ハイテク都市深センの企業UGREENより信頼性が高いかは不明)。探している最中に見つけられていれば、多分こちらを選択していただろうと思います。
とは言えUSBケーブルを別途購入することなどに忌避感がある人もいらっしゃると思います。このUGREEN製SDカードリーダー兼USB3.0ハブは、ケーブルが長く一体型であり、かつ安価であることを求める人には間違いなくオススメできる商品です。